ダニーのラボ

ダニーが学んだことを書きます。ここに書かれることはダニー個人の見解であり、ダニーの所属先の見解とは一切関係ありません。

20240409_1年生の初回授業、何を話すか

 困ったことになった。1年生向けの講義初回を準備しているのだが、何を話していいかが分からなくなった。いや、去年と同じことを話すことは当然できるのだが、まったくもって上滑りというか、腹に力が入らない空虚な感じになってしまう。

 昨年まで、最初に何を話していたかというと、「入学おめでとう。大学は高校と違うんだからしっかり意思をもって勉強しなさい。この授業もちゃんとしないと単位は出せないですよ」という叱咤激励的なことだったみたいだ。

実につまらん。こんなことを聞いてちゃんとできるやつは初めからちゃんとしている。いきなり授業内容から話し出すか、とも思ったが、リハーサルがどうもうまくいかない。うーむ、驚いた。

考えてみる。そもそも新入生は大学になんかに入学なんてしてきて、どうするつもりなんだろう。まあ卒業して企業に入るのが目的とすると、それまでの4年間は完全に浮いてしまい、じつに空虚な時間だ。適当に遊んでやり過ごすのか。それにしても、年間100万円もの授業料はほとんどお金をドブに捨てるようなもので、あまりに無駄が多い。いっそ高校からいきなり企業に就職できるようになったほうが学生にも社会にもいいことづくめではないだろうか。

オチがつかない。学生たちがすでにやりたいことを持っていて、それに向かって自己研鑽するために大学に来ているはずだ、ということを前提とすれば、こんなしんどい話はせずに、楽ちんで授業できるのだ。だがそんなことはまったくの幻想だ、ということを認めた瞬間になにもしゃべれなくなってしまう。

 切り替えてみよう。大学全入時代なのだから、大学を出ないと始まらないというのもまた然り。こうした状況が将来的に崩れ去るかどうかは、いま現在入学してきた学生にはあまり関係がないことでもある。なんだか意味は分からないけど、とにかく大学を卒業しないといけない。

だとすれば、この浮いた4年間をどうやって充足するのかが問題になる。遊び惚けようが、バイトに明け暮れようが、ガリ勉しようが、何をしてもよい。4年間という空き時間をどう過ごすか、トータルでデザインするのはある意味大きな訓練でもある。さまざまなことにがむしゃらにチャレンジして、自分の能力や関心の見極めをする。

卒業後、その人の人格が、特定の企業組織の一メンバーに回収されてしまうか否かということは、この4年間をターニングポイントとして大きく変わる。それは言い過ぎかな。目覚めるには、いつでも遅すぎることはない。でも、若いうちの方がいいだろうな。

そういうことに気づくために、大学や授業になにができるか、だ。うーん・・・やはり大学の外にいる時間は長くした方がいいように思うが(笑)。あかん。。。